立憲民主党はなぜ若者の支持を得られなかったのか?
以下抜粋
コア支持者ばかりを見ている
最後に、上記全ての根底にあるのが、見ている対象である。
一言で言うと、高齢者含め、ツイッター上にいるコア支持者を見過ぎだ。
小選挙区制においては、有権者の過半数を取らなければならないため、本来は自分たちのコア支持者を横目に見ながらも、中道の位置にいなければならない。
そもそも国会議員は、支持者の代表ではなく、国民の代表である、という前提もあるが、選挙戦略的にも、前回対立候補に投票した層からも支持を得なければ勝てない。
しかし上述したように、近年の立憲民主党はコア支持者を中心に見据えており、あまりに左に寄りすぎている。
それでは、自民党を支持している中道右派はおろか、中道左派からも支持されない。
本来は、支持母体の労働組合も嫌がるような中道右派的な政策(解雇規制の緩和など)も実現しなければならないが、
もはや連合にさえ、左に寄りすぎと言われる始末である。
その原因は、ツイッターが大きいのではないかと考えている。
ツイッターでハッシュタグデモというのが一時期流行ったように(今も?)、
ネット上で盛り上がっているのを見ると、有権者全体がそうかのように勘違いしてしまいやすい。
しかし、フィルターバブルという言葉もあるように、SNS上は「絶対に」バイアスがかかっている。
そして、そのツイッター上にいるコア支持者の支持を集めようとすればするほど、国民全体からは離れていく。
ツイッター上では「野党共闘」の継続を求める声が一部支持者から上がっているが、
国民全体への世論調査では、「見直した方がいい」が61.5%、「続けた方がいい」は32.2%である。
国民全体を見るためには、ツイッターやオンライン上で「動員」ばかりを期待するのではなく、各地域で様々な階層を集めて「タウンミーティング」を行う、
戸別訪問を行う、そうした草の根の活動をもっと展開すべきである。
もっと言えば、2015年から始まった安保法制への反対運動、SEALDs的な表面ばかりの新しさ(本質は1960年安保闘争と変わらない)に目を向けるのではなく、
学術的な知見の活用、新しい市民運動の展開(「コミュニティ・オーガナイジング」「リーダフルな運動」)など、本質的に政治活動をアップデートすべきである。
でなければ、今後も若者の支持は集められず、新・55年体制のようになっていく流れは止められない。
ただそれでは、労働者を代表する政党の存在感が下がるばかりであり、若者が最も重視する働く環境の大きな改善が見込めない。
今回の代表選を通して、新しく生まれ変わることを期待したい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/murohashiyuki/20211104-00266257