「10増10減」が確定 衆議院小選挙区 国勢調査結果受け
2021年11月30日 18時55分 選挙

去年行われた国勢調査の結果が確定したことを受けて、衆議院選挙の小選挙区は、東京で5つ増えるなど、5都県で合わせて10増加する一方、10県で1つずつ減少する「10増10減」が確定しました。

衆議院選挙の各都道府県に割りふられる定数289の小選挙区の数は、去年の国勢調査の結果をもとに、現在の計算方法よりも人口に比例した配分となる「アダムズ方式」と呼ばれる方法で見直されることになっています。

総務省は30日、国勢調査の確定値を公表し、これによって、各都道府県に割りふられる小選挙区の数が確定しました。

それによりますと、小選挙区の数が増加するのは5つの都と県で、東京で5つ増え、現在の25から30になるほか、神奈川で2つ、埼玉・千葉・愛知で1つずつ増えます。

一方、小選挙区の数が減るのは、宮城・福島・新潟・滋賀・和歌山・岡山・広島・山口・愛媛・長崎の10県で、それぞれ1つ減ります。

これによって、いわゆる「1票の格差」は、いずれも2倍を切ることとなります。

また、衆議院選挙の比例代表の定数176を全国の11ブロックに割りふった結果、東京ブロックで2、南関東ブロックで1増える一方、東北・北陸信越・中国の3つのブロックでは、1つずつ減ります。

小選挙区の具体的な区割りについては、政府の審議会が見直し作業を進め、来年6月までに勧告することになっていて、これを受けて法律が改正・施行されたあとの衆議院選挙から新たな区割りが適用されることになります。

東京は5増
「10増10減」によって、小選挙区は、
▽東京が5つ増えて、25から30に、
▽神奈川は2つ増えて、18から20に、
▽埼玉と愛知は1つ増えて、それぞれ15から16に、
▽千葉が1つ増えて、13から14になります。

一方、10の県では、いずれも1つずつ減り、
▽広島が7から6に、
▽宮城と新潟が6から5に、
▽福島と岡山が5から4に、
▽滋賀、山口、愛媛、長崎がそれぞれ4から3に、
▽和歌山が3から2となります。

比例代表では、
▽東京ブロックが2増えて19に、南関東ブロックが1増えて23になる一方、
▽東北ブロックが1減って12に、北陸信越ブロックと中国ブロックもそれぞれ1減って10となります。

小選挙区の数が1つ減る10の県のうち滋賀、岡山、山口、愛媛の4県では、先の衆議院選挙で、自民党がすべての小選挙区で議席を独占していて、次の選挙までに小選挙区の数が削減された場合、現職議員どうしが公認を争う形となり、調整が難航することも予想されます。

一方、宮城や福島、新潟では、立憲民主党や無所属の議員が複数の小選挙区で議席を獲得していて、区割りが変更になった場合には、調整が必要になるものとみられます。

※略※

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211130/k10013368091000.html