静岡県の東部農林事務所と富士農林事務所は、沼津市の水田でJAなんすん管内の有機栽培水稲農家を対象に、ドイツの清掃機器メーカー、ケルヒャーの高温高圧洗浄機を使い、熱水によるスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の駆除試験を行った。ジャンボタニシを60度以上の熱水に120秒ほど浸すと、半数のジャンボタニシが死滅したことが分かった。

生産者、東部農林事務所、富士農林事務所、沼津市、同JAの職員ら約20人が参加した。東部農林事務所とケルヒャーの担当者が、ジャンボタニシの生態や防除方法、機械を説明し、生産者が高温高圧洗浄機で実演した。

熱水は農薬を使わずジャンボタニシを駆除でき、農作物への被害を抑制し収量や品質の向上につなげられる期待がある。

ジャンボタニシは、熱水60度以上で106秒間、80度以上で15秒間浸すと貝の死亡率が高いという研究結果があるとし、現地で熱の伝わり方を検証した。

同地区の土壌は粘土質で水分をよく含んでいるため、熱水が浸透しづらいなどの課題も挙げられた。今回の検証を踏まえて、実際の活用方法を模索していく。

生産者の土屋宣之さんは「熱水で駆除できるのはありがたい。検討段階だが、除草や清掃など幅広く使えるので期待している」と話した。

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