自宅で出産の未熟児を置き去り死 母親に執行猶予付き有罪判決
26日 15時57分
 自宅の浴室で出産した未熟児の赤ちゃんに、必要な医療を受けさせないまま死亡させた罪に問われた33歳の母親に対し、有罪判決が言い渡されました。

 「生んだことには後悔していません。娘に謝りたい」

 生んだばかりの赤ちゃんを死なせたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われたシングルマザー、池田知美被告(33)。おととしの年末、自宅の浴室で、未熟児の赤ちゃんを出産し、必要な医療措置を受けさせないまま4日後に死亡させたとされています。

池田被告
 「一生懸命育ててきました。遺棄はしていません」

 初公判で、こう言い切った池田被告。出産当日から飲食店やパチンコ店で働いていたといいますが、なぜ、病院に連れて行かなかったのでしょうか。

池田被告
 「保険料を滞納していて、保険証がなかった。保険証がないので、病院に行けないと思った。元気に泣いていたから、大丈夫だと思った」

 検察側は、池田被告がスマートフォンで「母乳 飲まない」などと検索していたことから、「赤ちゃんが衰弱して医療措置が必要だと認識していた」と指摘し、懲役4年を求刑。一方、弁護側は、「被告に不安はあったかもしれないが医療措置が必要とまでは認識していなかった」と無罪を主張していました。

 そして迎えた今日の判決。池田被告は、判決言い渡しの直前、緊張した様子で大きく息を吐きました。

裁判長
 「主文、被告人を懲役3年に処する。5年間その刑の執行を猶予する」

 東京地裁は、池田被告が、「出産段階で、通常の新生児よりも小さく軽い状態であり、医療措置が必要だと認識していた」と指摘し、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。裁判長は、最後に池田被告に対し「相談する人、頼りにする人を是非作ってもらいたい」と説諭しました。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4414064.html