<来年4月以降、2%接近の公算>

来年4月になれば、携帯電話料金のマイナス分が3分の2程度は消える。
そのころには、輸入物価高騰の影響も波及する。米国の利上げが近づき、円安がさらに進む可能性もある。
新型コロナウイルス・オミクロン株の動向は気になるが、出遅れていた国内消費が回復すれば、それも物価にはプラスである。

こうした様々な要因がやや強めに働けば、来年4月以降、消費者物価の前年比は2%に近づくか、あるいは2%に達してもおかしくない。
異次元緩和の10年目にして、2%インフレが初めて現実味を帯びるのである。

もっとも、「Go Toトラベル」が再開されれば、それが宿泊料金の低下要因となる。燃油の卸売り価格を抑えるための支援も、経済対策に盛り込まれた。
こうした政府の政策努力により、結局は2%インフレには届かない可能性が高そうではある。それでも、1%を超える物価上昇がある程度続くだけでも、日本ではたまにしか起こらない立派な「インフレ局面」である。

以下略

"コラム:来年は2%インフレに接近、それでも日銀が動かない根源的な理由=門間一夫氏 | Reuters" https://jp.reuters.com/article/column-kazuo-monma-idJPKBN2IH0AN