https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&;n_m_code=121&ng=DGXZQOUB0397O0T01C21A2000000

愛知銀行・中京銀行、24年の合併検討 経営基盤強化へ

愛知県地盤の愛知銀行と中京銀行が2024年にも合併する方向で検討していることが3日、わかった。まず22年にも持ち株会社をつくり両行がぶら下がり、2年後をメドに合併する。重複店舗の統廃合や間接部門の効率化など再編効果を高めるには統合にとどまらず早期に合併まで踏み込む必要があると判断した。経営基盤を強化し生き残りを目指す。

持ち株会社の本社機能は愛知銀本店に置き、社長は愛知銀頭取が就く方向で調整している。新会社の社名や統合比率などの詳細については今後、協議を進める。中京銀株の約4割を握る筆頭株主の三菱UFJ銀行は今回の統合に伴い、中京銀株を手放す方向で検討している。

愛知県内には両行のほか名古屋銀行があり、愛知銀は2番手、中京銀が3番手に位置する。中京銀は業績が厳しく今夏に希望退職を実施するなどリストラを進めていた。両行の統合が実現すれば、総資産は単純合算で6.4兆円となりトップの名古屋銀を抜く。

愛知銀は住宅ローンや事業承継支援、中京銀は中小企業向け融資に力を入れてきた。双方の強みを生かすとともに、重複する支店の統廃合といった経営効率化を進め、経営基盤を強化する。

鈴木俊一財務・金融相は3日の閣議後記者会見で、「一般論として、地銀が自らの経営判断で将来を見据えて経営改革に取り組むことは重要」と指摘したうえで、「こうした取り組みを金融庁としてしっかりフォローしていきたい」と述べた。