僕にはあります。あの魔物の軍勢を前に、勝利の絵を描く力がある」
「勝算は?」
「僕の読みどおりに戦局が動いてくれれば、九割ほどで」

中央が防戦でもちこたえている隙に、こちらの精鋭部隊の右翼と左翼が敵両翼を突破。
そのまま敵中央の真横と背後につき、包囲網を完成させる。

包囲殲滅陣ほういせんめつじん。
これが、僕が描いた勝利の絵だった。

戦型を整え、迎え撃つ準備を整える。
そして後方で情報収集の担当をしていた後方支援職が、戦況分析の声をあげる。

「彼我の戦力差、出ました! 人間軍、およそ300。魔物軍、およそ5000!」


やがて5000を越える魔物軍をほぼ全滅させ、戦闘が勝利した。
人間軍は、勝利の雄叫びをあげる。

「勝った! 大侵攻に、勝ったぞー!」
「うおおおーっ!」

「信じられるか!? 300の手勢で5000の魔物に勝ったんだぞ!」
「俺たちはやった! シリルカの街を守り終えたんだ!」

【最下位職から最強まで成り上がる〜地道な努力はチートでした〜】
https://i.imgur.com/33fVanu.jpg