国産ワクチン 生後6カ月以上に治験開始へ 22年中の実用化目指す

2021年12月4日 19時15分

https://news.livedoor.com/article/detail/21300953/

 新型コロナウイルスの国産ワクチンを開発中のKMバイオロジクスは4日、来春から生後6カ月〜18歳の子どもを対象に治験を始める計画を明らかにした。

来年中の実用化を目指す。塩野義製薬も同日、開発中のワクチンについて小児向けの治験実施を検討していると表明した。

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 いずれも長野県軽井沢町で開催中の日本ワクチン学会学術集会で言及した。国内で主流の米ファイザー製と米モデルナ製は現在、12歳以上が接種対象。

 KMバイオは、季節性インフルエンザのワクチンなどと同様の「不活化ワクチン」と呼ばれるタイプの開発を進めている。

同社の園田憲悟・製品開発部長は学会発表後、記者団に「既存の小児用ワクチンの多くは不活化ワクチンで、安心して使える」と意義を強調した。

 また、3回目の追加接種の治験を3日から始めた塩野義に加え、第一三共とKMバイオも近く追加接種の治験を始める方針を学術集会で表明した。

国内の2回接種率が8割近くに達しており、各社とも「小児」や「追加接種」など今後のニーズを見据えた開発を加速させる。

 今後、国内各社はワクチンの安全性や有効性について既存のものと比較する最終段階の治験を始める予定だ。

KMバイオと塩野義のワクチンは、実用化した同じタイプのものがないため、承認審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)の荒木康弘・ワクチン等審査部長は学術集会で、英アストラゼネカ製を比較対象とし「より高い中和抗体価(抗体の量)が求められる」と、有効性が上回ることが条件になると説明。

「メッセンジャー(m)RNAワクチン」を開発中の第一三共については、ファイザー製などより劣らないデータが必要となる見込みだ。