■燃料電池車MIRAIは失敗だった

2014年に発売を開始したFCVの「ミライ」の価格は約700万円だった。
そして、航続距離など性能を向上させてはいるものの
現時点でも価格は約700万円で、大衆には手が届かないままだ。
だからミライは売れない。
ミライはいつまでたっても"未来"のままで、"現在"になっていない。

ドイツのメルセデスベンツは高級車で収益を上げてきた企業だが、トヨタは違う。
カローラに代表される"大衆車"でトヨタは現在の地位を築いた。
ならば、FCVを300万円台までに下げる力がないとトヨタのFCVに未来はない。
しかも、設置コストが高い水素ステーションという悩みの種も残っている。

一方、潤沢な資金力を持つトヨタは、
なぜ水素ステーションを自腹で設置することをしないで、他社任せだったのか。
本気でFCVを普及させたいなら、
水素ステーションもトヨタが作っていくべきだった。
FVCへの本気度の熱量が不足していると感じざるを得ない。
現時点で判断すれば、トヨタのFCVは失敗作だ。
そして、トヨタはFCVの呪縛に囚われているように見える。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/08/vs-40.php