「安倍晋三元総理も来るというので、半年ほど前、山本先生のパーティ券を購入したのですが……」

 そう嘆くのは、山本幸三元地方創生相(73)の地元、福岡県の自民党関係者だ。

「もともとパーティは6月12日、リーガロイヤルホテル小倉で開かれる予定でした。会費は食事無しの2万円。コロナの影響で一度延期され、その後も感染が収束しないことから、12月19日に再延期されていたのです」

ところが11月上旬、関係者の元に一通の文書が届く。そこには中止する旨が記されていた。

さらに――。

〈既にご購入賜りましたチケット代金は総選挙及び活動費として活用させていただきたく、ご理解ご了承賜りますようお願い申し上げます〉

と明記されていたのだ。

「返金を希望する者は山本事務所まで一報するよう記されていますが、本来、向こうから返金しますと謝罪するのが筋でしょう。もしくは、せめてオンラインなどで開催すべきです。
あくまで、安倍さんも登場する『パーティの対価』として払ったわけですから。
これでは、お金を騙し取られたようなものです」

収支報告書によれば、このセミナーは毎年のように開催されてきた。例えば、19年は同じリーガロイヤルホテル小倉で開催。
1300万円の収入を得る一方、会場費として約300万円を支出し、約1000万円の儲けを出していた。
今回も同程度の利益を得ると見られる。

政治資金規正法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。

「政治資金パーティを中止した場合、購入者が返金を望まないケース以外は議員側から返金すべきです。
もし企業から受け取ったパーティ券代を返金していない場合、事実上の寄附にあたります。
政党支部以外への企業献金は禁じられており、政治資金規正法に違反する可能性も高いでしょう」

https://bunshun.jp/articles/-/50426?page=2