栃木で金属盗が昨年の1.6倍に 二宮金次郎像や3県境プレートも
2021/12/9 19:20(最終更新 12/9 19:45)


 栃木県内で金属を狙った窃盗事件が11月末までに628件発生していることが、県警への取材で判明した。昨年1年間の認知件数は376件で、今年は既に1・6倍に上る。二宮金次郎像や栃木、埼玉、群馬の3県境を示すプレート、橋の名前を書いた橋名板などが次々と持ち去られている。何が起きているのか。現場を歩いた。【鴨田玲奈】

 12月上旬、真岡市高田の市歴史資料保存館のグラウンドには、主を失った台座がぽつんとたたずんでいた。

 同館の二宮金次郎像がなくなっていることに住民が気付いたのは、1カ月前の11月3日のことだ。真岡署と真岡市教育委員会によると、金次郎像は高さ約1メートル、重さ約40キロの銅製。台座付近には像を固定していたコンクリートの破片が散らばっており、ハンマーなどで砕き、盗んだ疑いがある。近くに住む70代男性は「かなり大きく、重さもある。一人では運べないのではないか」と首をかしげる。

 廃校になった校舎を利用した同館の周辺は田園地帯で、人通りも少ない。同館には職員が常駐しておらず、普段出入りするのはグラウンドゴルフに通っている住民くらい。目撃情報は乏しく、事件発覚2週間前に小学校の社会科見学で、引率した教員が像の写真を撮ったのが最後だという。捜査幹部は「銅像を潰したり分解したりして売ったのかもしれないが、行方は分からない」と話す。



https://mainichi.jp/articles/20211209/k00/00m/040/307000c