【ロンドン=佐竹実】イタリアの競争当局は9日、米アマゾン・ドット・コムが独占的立場を乱用したとして、11億3000万ユーロ(約1400億円)の制裁金を科したと発表した。アマゾン側は否定しており、不服を申し立てるという。

ロイター通信によると、イタリア当局が問題視したのはアマゾンの物流サービスである「フルフィルメント・バイ・アマゾン」。イタリアでのネット通販の独占的な地位を利用し、販売者がアマゾンの物流サービスを使うよう誘導した。サービスを使うことでアマゾン内での販売増につながる特典が得られるようにしたという。

アマゾン側は、物流サービスは完全にオプションであり、多くの販売業者は使っていないなどと反論している。

欧州では、アマゾンなど巨大IT(情報技術)企業への規制が相次いでいる。欧州連合(EU)司法裁判所の一般裁判所(ルクセンブルク)は11月、EUの欧州委員会が米アルファベット傘下のグーグルに対して競争法(独占禁止法)違反で24億2000万ユーロの制裁金を科した問題を巡り、欧州委の主張を支持し、グーグルの訴えを退けた。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09CR90Z01C21A2000000/