男性の尿トラブルに深く関わる「前立腺」の実像に迫る:尿のトラブルSOS:日経Gooday(グッデイ)
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しょっちゅうトイレに行きたくなる、ふとしたはずみに漏らしてしまう、夜中にトイレのために起きる…。そんな尿の悩みを、実に多くの中高年が抱えています。この連載では、誰もが悩んでいる尿トラブルについて、症状に合わせた対策や治療を医師が解説していきます。今回は、日本医科大学付属病院泌尿器科部長の近藤幸尋さんが、男性の尿トラブルに深く関わる臓器である「前立腺」について解説します。

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前立腺は男性にのみある臓器。膀胱の下に位置し、くるみほどの大きさだ(画像=123RF)

知っているようで知らない「前立腺」

これまでこの連載でも述べられてきたように、男性の尿トラブルには「前立腺」が深く関わっています。前立腺が男性にしかない臓器だということは、多くの人がご存じだと思います。ただ、「前立腺はどんな臓器?」と聞かれたとき、答えられる人はそう多くはないでしょう。そこで今回は、知っているようで知られていない、前立腺について解説していきたいと思います。

前立腺は男性にしかない臓器で、生殖器の一部です。同じ生殖器でも陰茎や睾丸(精巣)は目で見たり、手で触れたりすることができますが、前立腺は下腹部の奥、膀胱のすぐ下にあるため、外から見たり触れたりすることはできません。膀胱から陰茎に向かって伸びる尿道の根元の部分を取り囲んでいて、くるみや栗の実程度の大きさとよくいわれます。具体的には、一般的な成人男性の前立腺の体積は20mL程度です。

前立腺には、精液の一部となる「前立腺液」を分泌するという働きがあります。前立腺液にはたんぱく質分解酵素が含まれていて、精子のまわりのたんぱく質を溶かすことで、精子を活性化させます。また、女性の生殖器内に送り込まれると、精子を守る働きもします。

男性にしかない前立腺
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