https://www.olympus.co.jp/jp/news/2008b/nr080724spirationj.html

オリンパスメディカルシステムズ
米国Spiration社の気管支鏡下の肺気腫および気胸の治療デバイス
日本における独占販売代理契約を締結

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(以下オリンパス、社長:森嶌 治人)は、Spiration, Inc.(以下スパイレーション社、本社: アメリカ・ワシントン州レッドモンド、President and CEO:Rick Shea)の気管支鏡下の肺気腫および気胸の治療デバイス「IBV® Valve System」について、日本における独占販売代理契約を2008年7月16日に締結しました。

オリンパスは、本デバイスを製造販売承認取得後、日本で販売開始する予定です。なお、オリンパスは欧州でも本デバイスの独占販売代理契約をスパイレーション社と2008年5月に締結しており、2008年秋にオリンパスが欧州で独占的に販売開始する予定です。
オリンパスメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長 森嶌 治人のコメント
「欧州に引き続き日本でも本デバイスの独占販売代理契約を締結できたことを嬉しく思います。肺気腫や難治性気胸で治療方法がなく苦しんでいる方にとって、有効な治療手段となることを期待しています。患者さんのためにも、1日でも早く販売できるように全力を尽くします。」

「気管支鏡下肺容量縮小術」
気管支内にバルブを留置して肺胞を閉塞させて肺容量を減少させる肺気腫に対する低侵襲な治療手技です。具体的には、気管支鏡の鉗子挿通用管路に入れたカテーテルを通じて、肺の上葉支に小型・傘状のバルブを留置します。留置されたバルブの逆止弁効果によって、肺内の異常がある部位から正常な部位へと空気の流れを変化させることを目的としています。

1.気管支鏡を目的の気管支部位まで挿入。 2.気管支鏡の鉗子挿通用管路に先端にバルブが格納されたカテーテルを挿入。

3.カテーテルの手元側の操作によって、バルブを目的部位に留置。必要に応じて、位置調整や再留置も可能。 4.バルブの逆止弁効果によって、肺内の異常がある部位から正常な部位へと空気の流れを変化させることが可能。
肺気腫とは
気管支の先にある肺胞が膨張して機能が壊れてしまう疾患です。肺胞は、酸素と二酸化炭素を交換する組織で、その拡張、破壊によって肺に空気が入っていきますが、吐き出すときに空気が肺から出て行かなくなります。進行すると肺全体が膨張、横隔膜や心臓を圧迫して、安静時でも息切れや呼吸困難を生じます。

肺気腫の治療方法は、薬物治療や、外科手術などがあります。外科手術は、解剖学的にも技術的にも難しいため全世界的に手術を回避する傾向にあるため、内科的な低侵襲治療の実現が期待されています。