携帯電話番号を不正提供、アカウント開設時の本人確認すり抜け…SMS認証を代行した疑いで男を逮捕

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 インターネット上のサービスを利用する際に携帯電話番号を使って本人確認をする「SMS(ショートメッセージサービス)認証」を代行したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は26日、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、埼玉県所沢市、料理人沢涼太容疑者(28)を逮捕したと発表した。

 SMS認証は、アプリ登録時などに、第3者によるなりすましを防ぐためのセキュリティー対策「2段階認証」の1つ。

利用者が携帯電話のSMSで事業者から認証コードを受け取り、このコードを入力することで本人確認を行う仕組みとなっている。

 しかし、本人確認をすり抜けるため、携帯電話番号や事業者から届いた認証コードを利用者に伝え、報酬を受け取る「代行業者」が出現。

ニセ電話詐欺やネットオークションの不正出品などの温床になっているとして、警察当局が取り締まりを強化していた。


 逮捕容疑では、今年5月、岐阜県の20代の無職女性がフリーマーケットサイトにアカウントを開設するのに当たり、SMS認証用の携帯電話番号を提供するなどしたとされる。

「認証代行が犯罪になるとは思っていなかった」と供述し容疑を一部否認している。

 同課によると、沢容疑者は、データ通信用のSIMカードをネットなどを通じて格安携帯電話業者から大量に入手。

会員制交流サイト(SNS)でSMS認証代行を請け負うと宣伝し、1回につき2000円で請け負っていた。女性はフリマサイトで転売を繰り返し、アカウントを止められていたという。

 警察庁は、SMS認証代行の取り締まりを強化するとともに、格安携帯業者の業界団体に対し、契約時に本人確認をするよう要請している。