東京23区の再編、検討を…橋下氏と渋谷区の長谷部区長が問題提起

 11日のABEMA『NewsBAR橋下』に長谷部健・渋谷区長が出演。生まれも育ちも渋谷区神宮前、スタジオまで徒歩でやってきたと話す長谷部氏と、
実は小学校4年生まで渋谷区幡ヶ谷で育ち、学生時代も笹塚で過ごしたため、渋谷とはゆかりが深いと話す橋下徹氏が議論した。

 コロナ禍への渋谷区独自の経済対策について、「バジェットが少ないので、給付金をドーンとお渡しするのが難しい。税金を投入している部分もゼロではないが、
民間企業と組むなど、工夫をしながらサポートしている。大それたことはできていない」と話す長谷部氏。背景にあるのは、東京23区特有の制度だという。

 「知らない方も多いと思うが、東京23区というのは、分かりやすくいうと“兄弟”という考え方だ。収入源は住民税、
つまり住んでいる区民のみなさんからのお金をベースに運営している組織で、固定資産税や法人住民税などの大きいものは東京都が一旦吸い上げ、人口や面積、
公共施設の数などを元に、“不思議な計算式”でそれぞれの区に分配されている。しかも渋谷区の場合、住民税の収入が500億円ぐらいに達すると、
その分け前が来ないという基準になっている」。

橋下氏

 この問題について橋下氏は「僕らの大阪都構想が勘違いされていたことの一つに、“東京都政を真似する”ということがあった。そうではなくて、
東京都政の問題点を乗り越えて、一つ先の都政を作ろうということだった。長谷部区長が言われたこともそうで、東京都が45%を取って、残りの55%を区に配分している。
大阪都構想では、なるべく財源は区に渡して自立してもらおうということで、都の取り分は22%にして、残りの78%を区に渡そうと考えていた。長谷部区長も、都との関係で、
“俺達にもうちょっと権限をくれよ”という思いがあると思う」。

 長谷部氏も「ある。渋谷の場合、スタートアップに関しては世界に誇れる土壌ができてきているので、もっと背中を押すための投資をしてあげたいが、原資がない。
本来であれば東京都が区を飛び越してでもやってくれればいいが、やはり地域のことは僕らの方が分かっているし、全体を平坦にしなければならないので、
都にお願いをして、共感が得られれば多少は来る、というような状態だ。なるべく良い所を伸ばす方に振ってくれればいいが、そういう判断は難しいのだろうと思う。
一方で、制度の意味も分かる。経済に関して言えば、やはり広域にやっていった方がいいからだ」。


 さらに橋下氏は「コロナの医療提供体制についても、東京都政に問題があるということが言われている。例えば渋谷区では保健所を持っているが、
そこで入院調整をやろうと思っても、病院やベッドの数が十分に確保できない。東京23区を研究してみると、東京都政にはいい所もたくさんあるが、問題点もあった。
やはりそれぞれの区の力が弱すぎる面がある。ただ、この問題は70年以上も議論されているが、なかなか変わらない。そこで、大阪が先にやれば東京も変わるんじゃないかと思い、
大阪都構想では24区を4区にまとめ、お金と権限をもっと渡そうとした。だけど住民投票で負けてしまった。東京の人たちも反対するかもしれないが、これを中核市なみに、
23区というは多すぎるので、もう少し大きい形に再編するという考え方もあると思う。令和の時代は、各地でそういうことをしていかないと、自治体は持たない」と問題提起。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f3c7768aa0898f79a7a4bf3b91a47d87bfbe485e