【独自】わいせつ教員復職を厳格化へ…免許再取得に更生証明書類の提出、処分情報をデータベース化

https://news.yahoo.co.jp/articles/128891e13010cb105168a209300193cae5729b7a


 5月に成立した新法「教員による児童生徒性暴力防止法」に基づき、文部科学省が策定した「基本指針案」の全容が明らかになった。子供へのわいせつ行為で教員免許を失効した元教員が免許を再取得しようとする場合、更生したことを証明する書類の提出を求める。失効者の40年分の処分情報をデータベース化するなど、教員としての現場復帰が極めて難しくなる見通しだ。

 指針の決定後、来年4月1日に新法を施行する。データベースは2023年4月に稼働させる予定だ。

 冒頭、指針案では「児童生徒を性暴力の犠牲者とさせない断固たる決意」を掲げ、教育委員会や学校法人、学校が取るべき具体的な対応を示している。

 指針案の柱となるのが、免許失効者への再交付の可否を判断する仕組み「再授与審査」だ。現行では性暴力で懲戒免職・解雇されても、3年たてば免許を再取得できる。だが、新法施行後は都道府県教委が新設する再授与審査会の判断を求めることになる。

 その際、再交付に支障がないことを立証する責任を元教員に負わせ、「再び性暴力を行わないことの高い蓋然性を証明する」書類の提出を求めている。

 具体的には、更生プログラムの受講歴や医師の診断書、復職を求める保護者らからの嘆願書、被害者への謝罪、損害賠償などの書類を例示した。さらに、医療や心理、福祉、法律の専門家らで構成される審査会で、委員の意見が原則、全会一致しなければ再交付を認めないとしている。

 新設するデータベースには、子供への性暴力で免職となった元教員の名前や処分内容の情報を少なくとも40年間分蓄積する。これまでには、処分歴を隠すために改名し、別の教委で採用された例もあるため、改名前の氏名での検索も可能とする。都道府県教委に対し、法施行前の処分情報も入力してもらい、採用時の活用を義務付ける。

 このほか、わいせつ行為をした教員への懲戒処分を行わず、依願退職させることも禁じている。

 文科省は近く基本指針案を公表する。パブリックコメント(意見公募)を経て、来年2月頃に決定する考えだ。