この研究は昨年9月、睡眠分野の国際的な医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスン」にスウェーデンのグループが発表した。

重度の鬱や双極性障害(躁鬱病)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの診断を受け、不眠症状がある18〜77歳の男女120人を2群に分け、一方の群には重い毛布(6〜8キロ)、もう一方の群には軽い毛布(1・5キロ)を寝具として4週間使ってもらい、睡眠の状態を調べた。

その結果、不眠の重症度を表すスコアで、軽い毛布で改善した人は5・4%しかいなかったのに対し、重い毛布で改善した人は59・4%に達した。
その効果は使用1週間後に表れ、実験後に軽い毛布から重い毛布に切り替えた人を含め、重い毛布をさらに12カ月継続して使い続けた人の78%で睡眠障害に該当しないレベルにまでスコアが改善されたという。

この結果について、東京疲労・睡眠クリニック(東京都港区)の梶本修身院長は、ネコやイヌが眠る際に狭い場所を好む例を挙げ、
「母親の懐に抱かれているような安心感があることで、寝つきが良くなる」とし、「人間の場合は、重い布団にすることによって安心感を持ち、睡眠の質が改善するのでは」と説明する。

また、日本人の体格も考慮した適切な布団の重さについては、標準的な綿の掛け布団(シングルサイズ)とほぼ同じ「4キロぐらいではないか」と語る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b01f55c6a39ee9d9ffb5ba9e04e5c16dad5e9517