アサイーそのものが問題なわけではない。問題は、「スーパーフードである」と過剰に宣伝されていること、そして、そのアサイーの果実がどのように収穫されているかということだ。

米紙ワシントン・ポストが報じたところによると、高さ20m近くにまで成長するアサイーの木は幹が細く、大人には登って果実を収穫することができない。そこで駆り出されるのが、5歳くらいの子どもたちだ。

子どもたちはナイフを手に持ち、アサイーの木に登り、たくさん実を付けた枝を切り取って集める。バケツに収められたアサイーの実の多くは、米国に送られ、加工され、10〜15ドル(約1140〜1700円)のアサイーボウルや、スムージーとして販売される。

“ブラックゴールド”として知られるアサイーの実を収穫するために駆り出される子どもたちは、ブラジルでは法律によって守られていない。この仕事をする子どもたちの多くが、転落や、刃物や鋭いヤシの葉によるケガを負っている。働き手を確保する目的で、誘拐される子どもたちさえいるという。

いくつかの国際機関が、アサイーの輸出に関わる業者や、収穫する家族の側の費用や経費などについて調査し、児童労働についても監督している。バケツいっぱいに集めたアサイーの実は、こうした子どもたちの家族に3ドル程度の稼ぎをもたらしているかもしれない。だが、それでもアサイービジネスは危険をはらむものだ。より多くの利益を得ているのは、生産者よりも消費者の側だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d668b39f857ed9f68a96a3cf830e1d1937fb1cb3