日本株が低迷しているのは岸田首相のせいなのか
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日本株が上昇しにくいのは岸田首相のせい?
ここで注意したいのは、先週だけを切り出して世界の株価指数の騰落率を見ると、アメリカではナスダック総合指数が2.95%、ニューヨークダウが1.68%下落したのに対し、日経平均株価は0.38%、TOPIX(東証株価指数)は0.46%の上昇で、日本株の巻き返しが始まったと“誤解”している人も多いかもしれない。
しかし、17日のアメリカの株価下落を受けて、週明け20日の日本株は下落して始まるだろう。その“時差”を考慮すれば、日本株の対米劣後が終わったと考えるのは早計だ。
実際、直近だけを取り上げなくとも、日本株の“出遅れ”はこのところずっと強まっている。その要因としては「岸田文雄政権の政策がダメだからだ」という声もよく聞く。
確かに「金融所得課税の強化を図っているようにみえる」、あるいは「自社(自己)株買いの規制をほのめかす」などといったことでは、その分だけ日本の株価は上がりにくくなるかもしれない。
また、給付金についても、それで景気が大きく押し上がるかどうか、疑念の声があがっている。政権は「クーポンで支給すれば消費に回るだろう」と考えている節がうかがえるが、家計が総消費額を増やさず、クーポンによる支払いで浮いた現金を貯蓄すれば、支給額がそのまま貯蓄に向かうことと変わりはない。
とはいっても、筆者が接触している海外投資家からは「別に最初から岸田政権には期待していないので、とくに最近失望して日本株を売るほどでもない」との声をよく聞く。日本の株価に与える影響が大きい海外投資家の間でそうした見解があるとすれば「岸田政権だから日本株が劣後している」というわけではないのだろう。
また、「日経平均(ドル換算値)÷ニューヨークダウ」の比率で日本株の相対的な動きを見ると、日本株の劣後は2017年あたりから始まった大きな流れであり、それはもちろん岸田氏のせいではない。