沖合操業で商業捕鯨を行う共同船舶(東京)は、新たな捕鯨母船を山口県下関市で建造することを内定したと発表した。これにより同市が新たな捕鯨母船の母港となる見通しとなった。令和元年7月に商業捕鯨が再開し、沖合操業の基地となった同市などは母港化を要望していた。同市は「『くじらの街』のPRに弾みがつく」と歓迎している。


共同船舶が同市の旭洋造船に捕鯨母船の建造を発注する。共同船舶は国内で唯一、母船式捕鯨を行っており、現在の母船「日新丸」(8145トン)は建造から30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。このため同社は60億円を投じ、新たな母船を建造する方針を決めていた。

新母船は約8970トン。日新丸が、調査捕鯨が目的の海域をくまなく航行するのに適しているのに対し、新母船は捕獲したクジラを船上で加工しやすくしたり、保冷設備を強化したりするなど、商業捕鯨向けに設計する。将来、捕獲が認められる可能性のある大型のナガスクジラを水揚げできるほか、南極海まで航行する能力がある。

https://www.sankei.com/article/20211221-IZCUY2G3XFPRXPLFX2BRXVA3IY/