路線価によらずに相続税額を決める規定の適用の是非が争われた訴訟で、最高裁第3小法廷(長嶺安政裁判長)は21日、当事者の意見を聞く弁論を来年3月15日に開くと決めた。

相続税は通常、取引価格の8割程度とされる路線価を基に算定されるが、「著しく不適当」とされる場合、路線価に基づかず算定できるとする国の規定がある。規定の運用は税務当局の裁量にゆだねられているが、最高裁が、この運用基準について初判断を示す可能性が出てきた。

訴訟は、相続したマンションの路線価による評価額が実勢価格と比べて安すぎることなどを理由に国税庁から申告漏れを指摘され、追徴課税処分を受けた相続人が、処分取り消しを求めて起こした。

相続人は、平成24年に94歳で死亡した男性が計約13億8700万円で購入した東京都内と神奈川県内のマンション計2棟を、男性の死後に相続。路線価に基づく評価額は計約3億3千万円で、銀行への借り入れもあったため相続税を「0円」と申告した。

これに対し国税庁は不動産鑑定の結果、評価額は計約12億7300万円だったとして申告漏れがあったとみなし、3億円超を追徴課税した。

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