大阪市北区の雑居ビルにあるクリニックで発生した放火殺人事件で、火を付けた疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)が、患者らが避難できないよう院内でドアを閉め、奥に閉じ込めた疑いのあることが22日、大阪府警天満署捜査本部の調べで分かった。

 現場から柄のない刃物や、焼けたポリタンクが見つかったことも新たに判明。府警は、同容疑者が多数の人を殺害しようとした疑いがあるとみて調べている。

 府警によると、クリニックの受付を通ると、待合室から奥の診察室などに向かって通路が延び、途中にドアがある。救急隊が到着した際、谷本容疑者がドアの前に1人だけ倒れているのを発見。ドアを開け奥に進んだ所に、死亡した西沢弘太郎院長(49)や患者ら計26人が倒れていたという。

 院内の防犯カメラには、谷本容疑者が放火した後、非常階段から逃げようとした人に突進し、体当たりする様子が映っていた。府警は、同容疑者が患者らを奥のスペースに追いやり、ドアを閉めて閉じ込めた疑いがあるとみている。

 一方、現場からオイルライターのほか、焼けたポリタンク2個と、刃物の刃の部分だけが見つかった。現場で検出された油の成分は鑑定の結果、ガソリンと判明した。

 同容疑者が住んでいたとされる同市西淀川区の住宅内からは、見つかった刃物が入っていたとみられるフルーツナイフのパッケージや、ナイフのさやが見つかった。 

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