日本のアニメ監督は少女が大好き? 新海誠の最新作『すずめの戸締まり』に呆れ声

何歳になっても“少女”にこだわるアニメ監督たち

「すずめの戸締まり」でとくに揶揄されているのは、少女が物語のカギを握っているという点。もともと新海作品では10代の少年少女を主役に据え、
その葛藤を描き出すことが多かった。

とはいえ、これは新海だけの問題ではなく、他の人気アニメ監督にも共通している。たとえば『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明や、
『スタジオジブリ』の巨匠・宮崎駿がその典型例だろう。

庵野は現在61歳で、宮崎は80歳。そして新海も48歳と50代手前に差し掛かっている。すでに少年少女とはかけ離れた年齢となっており、
その心情を理解できるのが不思議なくらいなのだが、いつまでもジュブナイル作品から卒業する気配はないように見える。

これは日本のアニメが「ロリコン文化」だとか、そんな単純な話ではない。おそらくアニメ監督の趣味などとは別として、
これまでの日本アニメの土壌では少年少女を軸とした想像力しか育まれていないのだ。そのため、「大人が大人に向けた作品」を
作りにくくなっているのではないだろうか。

もちろんそれが悪いわけではないが、アニメ監督に“成熟”を求める声が上がるのも当然。可能性は低いだろうが、
「すずめの戸締まり」が新たなヴィジョンをもたらしてくれることに期待したい。

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