めんどくさい人生を生きる価値とは?――進化生物学者が伝えたいこと
https://news.yahoo.co.jp/articles/d2682e58d8e024a6ba434d67e99e2c4ae1174007

人間の社会には「働かざるもの食うべからず」という諺(ことわざ)があります。

イソップ童話の「アリとキリギリス(もともとの話はキリギリスではなくセミだったともいいます)」では、アリが働いている夏のあいだ鳴き遊んでいたキリギリスが、冬になってアリに食べ物をねだると「夏は歌って暮らしたなら、冬は踊って暮らせ」と突き放されます。

これらの話は、勤労により社会の労働生産効率をあげることに貢献しない者は生きなくてよいという意味で、怠けている者を戒める話として使われています。

しかし『働かないアリに意義がある』(山と溪谷社)では、働かない働きアリをもつシステムは、短期的な労働効率は低くても長期的な存続率が高いため、長い時間で見ると生き残る、と言ってきました。