危ない!埼玉エスカレーター立ち止まり条例施行2カ月…浸透せず 無言の圧力、人を押しのけ駆け上がる人も
2021/12/27 10:15 (JST)

 「エスカレーターでは立ち止まろう」。12月中旬の土曜日正午、埼玉県さいたま市大宮区のJR大宮駅西口。壁面に張られた県のポスターを横切り、利用者千人のうち61人がエスカレーターを駆け上がっていった。中には立ち止まった利用者を押しのける場面も数回見られ、危険な状況は条例施行前から改善されていなかった。

 2カ月半前の10月1日、埼玉で「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が施行された。全国に先駆けた取り組みとして注目されているが、実際に成果を上げてモデルケースとなることができるのかは周知の成否にかかっている。

 県が7月に実施、11月末に公表した県政世論調査によると、条例を知っていたのは県民2767人のうち38.3%。その約半数は義務であることを知らなかった。条例施行日の前後、ポスターやステッカーなどを使って鉄道各駅や商業施設に周知を図ったものの、浸透しているとは言えないのが実情だ。

 エスカレーターを駆け上がった20代女性は普段から通勤で鉄道を使っているが「条例が施行されていることは知らなかった」と驚きを隠さない。50代の男性はポスターの存在には気付いていながら「内容が条例のことだとは認識していなかった」。

※略※

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