中国人民解放軍の関係者の指示で、日本製法人版ウイルス対策ソフトを不正購入しようとしたとして、警視庁公安部は詐欺未遂容疑で中国籍の元留学生、王建彬(おう・けんひん)容疑者(36)の逮捕状を取った。
王容疑者はすでに出国しており、警視庁は国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請する方針。公安部は中国軍側が日本へのサイバー攻撃をするにあたり、情報収集をしていたとみて調べている。

逮捕状の容疑は平成28年11月、第三者に転売する意図を隠し、実在しない会社と担当者の名前で東京都内のソフトウエア販売会社から日本製の法人版ウイルス対策ソフトを不正購入しようとしたとしている。
販売会社が不審に思い確認したところ、法人登記がされていなかったため、販売しなかった。

28年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)など国内約200の組織がサイバー攻撃を受けた事件の捜査で、中国人民解放軍のサイバー攻撃専門部隊「61419部隊」に所属する軍人の妻が、王容疑者にソフトの不正購入を指示していた疑いがあることが判明。

妻はSNSなどで王容疑者に「国家に貢献しなさい」「国が守ってくれる」などと指示し、王容疑者はレンタルサーバーの契約やUSBメモリの購入などの依頼を受けてその都度報酬を受け取っていた。警視庁は王容疑者を任意で事情聴取していたが、その後出国した。

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