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障害者施設で虐待「長生きしたらダメ」 改善通知4度も

長崎県佐世保市の社会福祉法人「民生会」(松田正民理事長)が運営する障害者施設で、職員が利用者に暴言や虐待を繰り返していたことが20日、同会などへの取材で分かった。市は一昨年来、法人側からの報告をもとに立ち入り調査してきたが改まらず、今年1月に改善を求める4回目の通知を出していた。
 民生会は県北地域で障害者支援施設やグループホームなど計約40施設を運営。同会によると、2019年から職員による不適切な言動を内部告発などで把握するたびに市に報告。市は利用者や職員に聞き取りし、19年7月〜今年1月に計4回の通知を出したという。

 昨年3月の通知には、同会が営むグループホームで利用者の頭をたたく行為や、「お前」「こいつ」「どれだけ迷惑をかけていると思っているのか」「ばかやけん、言うたっちゃ分からん」「障害者は長生きしたらダメ。税金の無駄遣い」などの発言があったと記されていた。また、利用者の着替えを手伝わず何日も同じ服を着せていた▽利用者の支援をせず、他の職員にも掃除をするなと指示した――といった例も記載されていたという。

 今年1月の通知には、別のグループホームで暴力行為を監視カメラで確認したと記載。一昨年夏の最初の通知では、障害者支援施設での身体的・心理的虐待の例も挙げていた。

 民生会によると、虐待や暴言に関わった職員は男女計4人。うち3人は雇用期限での雇い止めや自主退職で施設を離れ、現在残る1人が在籍している。

 民生会は、内部告発が続く背景について「職員への人権教育の一定の成果だろう」としつつも、「虐待が繰り返されたことはゆゆしき事態と受け止めている。改善策を講じ、それを実施しているさなかだ」と説明している。