差別の解消を目指す被差別部落の出身者らが「全国水平社」を創立してから、来年3月で100年を迎える。
差別に苦しむ当事者自身が声を上げ、社会を変えようとする水平社の理念は、
日本で展開されてきたさまざまな人権運動の「原点」とも言える。

 水平社の創立大会は1922年3月3日、京都市内で開かれた。
その50年ほど前に明治政府が「解放令」で「穢え多た」や「非ひ人にん」などの身分制度を廃止して以降も、
激しい差別意識が社会にまん延していた時期。大会で採択された宣言は、同情や哀れみをかけたり、
差別の原因を被差別部落側に求めたりする従来の活動を批判し、団結を呼び掛けて社会に変革を求める内容だった。
結びの言葉は「人の世に熱あれ、人間に光あれ」。日本初の人権宣言とも位置付けられており、
その取り組みは現在も続く部落解放運動に引き継がれている。

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