独立行政法人 自動車技術総合機構は、並行輸入自動車の届出書面について、「技術基準への適合性を証する書面」が偽造される事例が発生したことを問題視し、審査業務をより一層、厳正化することを決めたのだ。

 そもそも、外国で使用されている自動車を日本で使う場合、日本国内での道路運送車両の保安基準に適合していなければならない。
適合しているかどうかの判断として、たとえば技術基準証明書や、技術基準の試験成績書などの提出が求められる。

 こうした各種書類等の偽造される事例があったため、2021年7月以降の届出では、並行輸入自動車届出書の一部様式が変わる。また、新たに技術基準等宣言書の提出が求めされることになった。
この宣言書では、製造メーカーが自動車の保安基準等の技術基準について、誤りがないことを自ら宣言するかたちとして、仮に偽造など違法行為があった場合、法的な対応が明確に取れることになる。

 このように、並行輸入自動車の全般について、届出制度が厳格化されるなかで、たとえば中国や欧米の中小メーカーが製造したバッテリーEVについて、技術基準等宣言書がしっかり提出されるだけの、コストを手間をかけるユーザーや業者がどれほどいるのか?

 バッテリーEVの場合、エンジン車とは違い、例えば搭載するバッテリーの使用状況や経年劣化における安全性の確保など、日本の保安基準に照らし合わせる書類の手配や、場合によっては新規の書類作成が必要となるだろう。

 こうした状況下で、結果的に現状では海外からのバッテリーEVの並行輸入の事例は限定的になっているといえる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/39d5597623df26fa650f9c38bdc868fddcbfbbf1