マイクロソフトのXbox Series X|Sは、昨今のゲーム専用機では稀なことに自作ソフトウェアのインストールが公式に認められています。それを可能とする方法は、1回限りの登録費(米国では約19ドル)を支払って開発者モードをアクティブにするだけです。

しかし最近、この開発者モードがいきなり無効化されたユーザーが続出しました。MS側はこの事態に対して、これは手違いだったとして謝罪するとともに、今後も「削除または無効にする予定はない」との声明を発表しています。


ことの発端は今月5日、多くのXboxユーザーがMSから「お客様の Microsoft Partner Center アカウントのWindows およびXboxの登録は、ストアでアクティブな存在でなかったため、無効とさせていただきました」とのメールを受け取ったこと。

つまり、開発者としての活動が認められなかったため開発者モードへのアクセス権を取り上げた、というわけです。

これらユーザーの多くは初代PSやPS2、ゲームキューブやWiiエミュレータを楽しむためにXbox Series X|Sを使っていたため、「MSがエミュレータを取り締まるために動き出したのではないか」との疑惑が持ち上がっていたしだいです。


しかしXboxのプログラムマネジメント担当ディレクターのジェイソン・ロナルド(Jason Ronald)氏は「非アクティブなアカウントを一掃するための定期メンテナンスの一環として、Xbox OneおよびXbox Series X|S本体で開発者モードを有効にするために使うMicrosoft Partner Center アカウントの多くが、間違って非アクティブとされました」として、陰謀論を否定しました。

その上で「できるだけ早くこれら(手違いで無効化された)アカウントを特定し、再び有効にすることに積極的に取り組んでいます」と述べて謝罪。

そしてXboxの開発者モードを削除または無効化する予定はないとしつつ「Xboxで健全なインディーアプリとゲーム開発コミュニティを信じ、サポートし続けます」と約束しています。


MS側の立場からすれば、この機会に自社に利益をもたらさず、著作権侵害の疑いさえあるエミュレータの使用に対して大ナタを振るってもおかしくはなかったはず。

それを「健全なインディーアプリとゲーム開発者コミュニティ」を信じると釘を刺すに留めたことには、自由を重んじる米国の開発者やユーザーらの支持を固めようとする意図があるのかもしれません。


Source:Jason Ronald(Twitter)

via:MSPowerUser

https://japanese.engadget.com/microsoft-apologizes-disabling-xbox-dev-account-111510790.html