弘前市が成人式で自殺防止啓発グッズ配布 by 陸奥新報
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2022/01/68549.html

ソーシャルディスタンスを保っても、心の距離は0メートル−。弘前市は若年層の自殺者がなくならない現状を踏まえ、自殺防止対策に力を入れている。市独自の啓発マーク「cocoroのディスタンス0m」を記した啓発グッズを、9日に県武道館で行われる成人式で新成人に配布する。市担当者は悩んでいる人に「まずは誰かに話すことで心が軽くなる」とし、周りの人の気付きも大切だとして「ちょっとした変化に気付けるように声掛けや手助けを」と呼び掛けている。

警察庁の自殺統計によると2020年は19年と比べて全国的に自殺者数が増加傾向にある。同市も同様で20年度は特に20、50代が多い傾向にあり、女性の割合が増えた。理由は不明な場合が多いが、新型コロナウイルス禍の影響も指摘されている。

大学生の自殺者も多いことから市は19年度から対策を強化し、20年度に自殺防止を啓発するマークを作った。緑色の円の中に「cocoro 0m」の文字が書かれており、「感染症対策でマスク着用や物理的に距離があっても、心の距離は0m(ゼロメートル)」という意味を込めた。成人式では、コロナ禍での需要が高まる除菌ウエットティッシュにこのマークを記し、新成人約1500人に配布する。

市が設置する窓口「こころの健康相談」への予約、問い合わせは市保健センター(電話0172−37−3750)へ。