ジェンダー平等が流行語…?

2021年はまた、経団連の副会長に南場智子氏が、連合の会長に芳野友子氏が、それぞれ女性で初めて就任した年でもありました。
2021年の「ユーキャン新語・流行語大賞」では『ジェンダー平等』がトップ10入りし、芳野会長が受賞しています。
9月に行われた自民党総裁選では、4人の候補者のうち2人が女性。女性の立候補は2008年の小池百合子氏以来のことです。
その後の立憲民主党の代表選でも女性候補の有無が注目されるなど、2021年、日本の「ジェンダー平等」は建前上は前進したとみることもできるのかもしれません。

一方、衆院選の結果に目を向ければ、女性比率は9.7%(10.1%)に後退。立候補者における女性比率も全体で17.7%にとどまりました。
SDGs17のゴールのうち、日本に「深刻な課題がある」とされている「5:ジェンダー平等」のなかでも、特に厳しい評価がついているのが「国会議員の女性割合」と「賃金格差」です。
国会議員の候補者に占める女性比率は、2025年までに35%に引き上げるという政府目標が設定されています。
2022年には参院選が予定されていますが、クオータ制の導入など候補者を擁立する仕組みそのものを変えないかぎり、「2025年までに35%」の実現などほぼ不可能です。


ジェンダー平等は「建前」から「本音」へ

クオータ制や数値目標の設定などについて、『議員や管理職級の女性の割合を増やしてあげることがジェンダー平等だと勘違いしている』
(「ユーキャン新語・流行語大賞」授賞語の説明文より)と捉える人もいるかもしれません。
でも、「建前」や「形」から起きる変化もあるのです。
もちろん自然と女性の議員や管理職が増えるなら、それがベストです。しかし、先に「形」から入り、必要に迫られて行動を重ねるうちに、本質的な変化があとからついてくることも多々あります。

さかのぼれば、女性参政権や男女雇用機会均等法もそうでした。
今年の法改正で育休取得について意向確認を企業に義務化することになった男性育休も、議論の当初は賛否が割れましたが、今後10年も経たないうちに男性が育休を取得することが当たり前になるでしょう。

若い世代からは当然のように「ジェンダー平等」を期待する声が上がっています。
時代は着実に動いています。「ジェンダー平等」を建前で終わらせるのか、本質的なものへと進化できるのか。2022年の私たちに課せられる、未来への宿題の一つだと思います。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_61d51fd6e4b0c7d8b8a97ccd