「オミクロン株の感染者が急拡大」と連日報道され、再び社会的な活動が停滞しつつありますが、「陽性者が急拡大」と言うのが正しいのであって、「感染者」でもなければ「発症者」でもないはずです。
 ウイルスやウイルスの死骸が鼻腔や口の中に入るのは、平素から誰にも起こることですが、これを検査可能な値になるまで増幅させるPCR検査で反応があれば「陽性」。そのウイルスが体内の細胞内に入った段階で「感染」、体内の免疫システムがこれを排除できない場合に「発症」で、問題とするべき段階はこちらです。ただ体内に入った「陽性」のみを対策の基準にし続けると、根本を間違える可能性が高いと思います。
 だからこそ、というべきか、本来はかなり大切な「免疫力をいかに高めるか」といった話も、報道において前面に出てくることはあまりありません。しかし「陽性」までで免疫システムがきちんと働けば、他の人にうつすほどにウイルスが体内で増殖することはないわけですから、本来「できる対策をみんなでしよう」というのなら、睡眠をきちんととる、少しでもいいので日光を浴びる、無理のない程度に歩く(運動する)、など、免疫力を高める数々の方策をもっと広めるべきなのではないでしょうか。
 そして発症の場合に迅速に医療機関における適切な治療が受けられる体制づくりには、大病院におけるコロナ患者受け入れ、それ以外の患者の中小病院への受け入れ、あるいは広域連携による患者の搬送など、「有事」の体制に切り替えられることが必要です。

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