石川県は3日、714人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの発表数としては1月26日の504人を上回り最多となった。県新型コロナ専門家会議の谷内江昭宏座長(金大附属病院副病院長)は北國新聞社の取材に対し、「市中感染が広がっており、もう感染者数だけを追いかけるのは意味がない」と指摘し、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)を懸念。
中等症や重症のリスクがある患者を把握するため、高齢者施設や医療機関に対象を絞った検査にかじを切るべきだと訴えた。

3日の新規感染者のうち無症状は39人、軽症は669人と全体の99%を占め、中等症は6人。軽症・無症状の大半が自宅療養となっており、3日現在、2687人が自宅で過ごす。

県内でも感染者の急増で保健所業務が逼迫し、薬局で受けられる抗原検査のキットが不足してきた。谷内江氏はこの現状に「医療資源の使い方を考えないといけない。フェーズを変えて対応しないと、色んなところが持たなくなる」と警鐘を鳴らした。

3日は2085件の検査が報告され、陽性者は前日より223人増え、感染経路不明は606人。治療中の1人が重症化し、重症病床使用率は12・2%(5人)となっており、谷内江氏は「感染のピークはまだ先になる」との見方を示した。

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