自民党憲法改正「実現」本部のホームページを見てみたが、言っていることは旧態依然で変わっていない。

 まず、現行憲法の三原則(国民主権、人権尊重、平和主義)は「守る」と言いながら、政治権力者たちが憲法を使って国民を管理する体制(改憲草案102条)を提案している。そのうえで、国民に「君が代と日の丸を尊重する義務」を課している(草案3条)。これは明らかに良心の自由(人権の核)の否定である。

 さらに、明確に海外派兵の道を示している(改憲4項目の1、草案9条、9条の2)。これは米ロ中のように政策の手段として普通に軍隊を使用するということで、これを(平和主義に反する)「軍国主義」と呼ぶ。

 加えて、改憲4項目はトリックの塊である。つまり、@「自衛隊」加憲案は、「必要・最小限」と政府自身が定義してきた自衛を「必要」な自衛に拡大して、海外派兵の道を開く奇策である。A「緊急事態条項」新設案は、現行の12条.13条の「公共の福祉」による人権制約で十分で、首相に全権を委任する憲法条項など不要である。B「参院選の合区解消」案は、衆参ともに過疎区の世襲議員の議席を固定化する奇策である。C「教育の充実」に至っては、自民党にやる気があるならば、今、法律と予算を制定すれば済むことで、本来、改憲のテーマですらない。

 だから、今、改憲の決定権者である主権者国民としては、何よりもまず自民党の改憲4項目を一読してみる責任がある。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300915