年金シミュレーション 年収400万円の新入社員が60歳まで働いたら将来いくらもらえる?

 2022年度の新規裁定者(年金を初めてもらう人)の年金額は、モデル夫婦で厚生年金(基礎年金含む)が月額21万9593円。ぜいたくをしなければ何とか暮らしていけそうだが、40年後にもらう人の年金はどうなるのだろうか。

■今の現役世代はやっぱり損する

 いま、若い世代からは「自分が払った保険料より、将来的に受け取る金額の方が少ないのでは?」と公的年金への不信の声が上がっている。現在年金をもらっている世代に比べても、受給額に差が出ることは事実。いくら少子高齢化が理由だと説明されても、不満に思って当然だろう。

 本当に年金は減ってしまうのか?

「こう言うと身もふたもありませんが、将来的に年金額は減っていくという試算が出ています。そもそも公的年金は、現役世代が受給世代を扶養する賦課方式の仕組みで運営されています。働く人の数と賃金が減れば、受け取る金額は減ってしまう可能性があるのです」(生活経済ジャーナリスト・柏木理佳氏)

■平均給与433万円も中央値はさらに低い

 では、今の現役世代は将来的にどれくらい年金をもらえるのか?

 今年4月、晴れて社会人の仲間入りを果たす大学4年生が年収400万円(賞与なし)で60歳まで働くものとして計算してみよう。

 国税庁「民間給与実態統計調査」によると、2020年の給与所得者の平均給与は433万円(男532万円、女293万円)で、20年前の2000年の平均461万円(男567万円、女280万円)から下がっている。平均433万円といっても、中央値は男性約300万円、女性約240万円なので、年収400万円はむしろ恵まれている部類に入る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1643a5158359e8d93d06822e6376adf092008f17