2016年11月17日 18時29分 JST | 更新 2016年11月18日 22時34分 JST
裏口入学に「親を恨め」「金も実力」... 韓国の若者を怒らせた「陰の実力者」の娘とは
https://www.huffingtonpost.jp/2016/11/17/jeong-yura_n_13039350.html

日本のセンター試験に相当する韓国の「大学修学能力試験」が11月17日に行われた。

激しい競争社会を勝ち抜くのに学歴が大きく左右する韓国社会。
警察が遅刻しそうな生徒をパトカーで送ったり、
英語のリスニングの時間は航空機の離着陸を制限したりするのが毎年恒例の光景だが、
2016年は、社会を揺るがす事件が入試にも影を落としている。

朴槿恵大統領の「影の実力者」として、
国政介入や財団を巡る不正疑惑が捜査対象になっている崔順実(チェ・スンシル)容疑者。
この娘、チョン・ユラ氏(20)が、母親の威光を笠に着て大学に裏口入学したと報道され、
朴槿恵大統領への怒りに火に油を注いでいるのだ。

11月17日午後7時、韓国・ソウルの中心部で、修学能力試験を終えたばかりの高校3年生が約100人集まった。
ハンギョレによると「良心があるならどうか辞任して」
「大統領、国民の前に立つ恥を知ってください」と、朴槿恵大統領の辞任を訴えた。

「大統領側近の娘だからといって、大勢が望んでやまない、
いわゆる名門大学に、何も努力せず入れる社会で、ただ座って勉強したくありません」

高校3年生の女子生徒の演説に、学生たちの怒りが凝縮されていた。

試験を目前にした10月30日、東亜日報は受験生たちの怒りの声を伝えている。

「試験が目の前なのにチョン・ユラのことを聞くと本当に頭にきて意欲がそがれる。
品性のかけらもない、文章もろくに書けない奴が『母親の後押し』一つで名門大学に行けるなんて、公正な社会なのか」

「自分たちは何のためにこんなに苦労して勉強するのか、と思った。
試験が迫ったときにこんな話を聞くと、本当に腹が立つ。
結局、入試なんて、努力とは関係なく、
『金のスプーン』(金持ちや有力者など、持って生まれた有利な環境)が
『土のスプーン』を押しのける構造になっているんじゃないか」