Nintendo SwitchやPlayStation向けに登場するゲームの多くがパッケージ版とダウンロード版を同時発売しており、中にはダウンロード版のみを展開するゲームもあります。また、2020年に登場したPlayStation 5にはディスクドライブを搭載しない デジタル・エディションが用意されるなど、ゲーム市場全体で物理メディアに依存しないゲーム環境が整いつつあります。
そんなゲーム市場における物理メディアのシェア状況について、海外メディアのArs Technicaがまとめています。

以下のグラフは2018年〜2021年の間に家庭用ゲーム機向けに登場したゲームの販売形態を示しており、青色のバーが物理メディア版のみ、緑色のバーがダウンロード版のみ、オレンジ色のバーが物理メディア版とダウンロード版の併売を示しています。
グラフを見ると、ダウンロード版しか販売しないゲームの割合が年々増加し、物理メディア版とダウンロード版の併売が少なくなっていることが分かります。

2018年〜2021年におけるPlayStation向けゲームの登場本数を示す以下のグラフからは、物理メディア版のゲーム(オレンジ)が減少し続け、ダウンロード版(緑)は2021年に大きく増加していることが分かります。

一方で、Nintendo Switch向けゲームにおいては、ダウンロード版が増加している点はPlayStationと似ていますが、物理メディア版の減少は顕著ではありません。

以下のグラフは、カプコン、コナミ、スクウェア・エニックス、セガ、ソニー、任天堂、バンダイナムコ、Activision Blizzard、Bethesda、Microsoft、Take-Two、 Ubisoft、Warner Bros. Interactive Entertainmentといった主要パブリッシャーから2018年〜2021年に登場したゲームの出荷形態の割合を示したものです。
ダウンロード版のみの割合(緑)は年々増加し、2021年には43.6%に達しています。

さらに、上記の主要パブリッシャー以外から登場したゲームでは、2021年にダウンロード版が9割を超え、物理メディア版とダウンロード版の併売はわずか8.1%にまで減少しています。

Ars Technicaは上述の調査結果では物理メディア版とダウンロード版の販売本数が明らかでないため、実際の市場で物理メディア版ゲームのシェアが減少しているとは結論付けられないと述べつつ、PlayStation 5 デジタル・エディションやXbox Series Sといった光学ドライブを搭載しないゲーム機が登場している現状を挙げて「家庭用ゲーム機市場でダウンロード版への移行が急速に進んでいることは明らかです。今後数年で、物理メディアはニッチな分野になるでしょう」と主張しています。

一方で、Ars Technicaは任天堂がニンテンドー3DSおよびWii U向け「ニンテンドーeショップ」サービスを 2023年3月に終了すると発表したことを挙げて、物理メディア版ゲームの市場が完全に消滅することはないとも主張しています。

https://gigazine.net/news/20220218-game-physical-niche/
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