低炭水化物食でがん罹患リスク上昇 脂質・蛋白質の摂取源が動物性食品の場合により顕著

 国立がん研究センターがん対策研究所予防関連プロジェクトの研究グループは、多目的コホート研究JPHCのデータを用いて低炭水化物食とがん罹患との関連を調べた結果をCancer Sci( 2021年11月25日オンライン版 )に発表。
炭水化物の割合が低い場合、がん罹患リスクが高かったと報告した。この関係は脂質および蛋白質の摂取源が動物性食品の場合、より顕著であった。

研究グループは「低炭水化物スコアが高いほど、全部位のがん罹患リスクが高いことが示された。この結果は、脂質や蛋白質の摂取源が動物性食品か、植物性食品かによって異なっていた」とまとめた。

 動物性食品に基づく低炭水化物スコアが高いほど全がん、大腸がん、肺がんのリスクが高かった結果については、「動物性食品由来の蛋白質や脂肪により、
腫瘍促進因子であるインスリン様成長因子(IGF)−1の分泌量が増加し、それに伴い腫瘍細胞の増殖が促進された可能性や、
赤肉や加工肉の調理・加工の過程で生じるヘテロサイケリックアミン、ポリサイケリック芳香族炭化水素、N−ニトロソ化合物などの発がん物質が生成されたことなどが発がんにつながった可能性がある」と考察している。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220216-OYTET50008/