https://bunshun.jp/articles/-/52198
「『アゴの力に負けた』は敗者の負け惜しみです」40代半ばで主婦から大食いに“転身”…大食い女王の“魔女菅原”(58)が語る、「本当の武器」
大食い競技番組「元祖!大食い王決定戦」で3連覇を成し遂げ、殿堂入りを果たした“魔女菅原”こと菅原初代(58)。
「水曜日のダウンタウン」などのバラエティなどで往時と変わらぬ食べっぷりを披露し、再び注目されるように。
そんな彼女に、当初勘違いしていたという大食いのトレーニング法、大食いに重要な“数値と効率”などについて、自宅を改装して開いたパン店「カンパーニュ」にて話を聞いた。
大会の準備には「3ヶ月は欲しい」
1月12日放送の『水曜日のダウンタウン』では、150グラムのおにぎりを27個を完食。来年、還暦を迎えるとは思えぬほどの食べっぷりでした。2008年のインタビューでは、トレーニングとして1ヶ月前から1種類のものをひたすら食べ続けると話されていますが、これは現在でも?
菅原初代(以下、菅原) 2008年……優勝した年だ。そんなこと言ってましたか。取材用にちょっとオシャレな答えをしてますね(笑)。1ヶ月で間に合うわけがないですよ。
計画的に進めるのは一緒だけど、本当は3ヶ月は欲しいんですよ。トレーニング期間は人によって違うので、1ヶ月の人もいるんだけど。昔は2ヶ月前くらいに大会開催の連絡が来たけど、最近は突然で。私は大食いを本業にしたことがないので、いつも時間がなくて不利なんです。時期がわかったら、目標の数字を立てて、試合に向かって食べる量を増やしていきます。
取れる時間が1ヶ月でも3ヶ月でも、トレーニング内容は変わらないですか。
菅原 なんだって、1種類のものだけ食べるなんて言ったのかな。逆だよね。
私は時間がないから、効率的に攻めなきゃいけない。だから、ダイエットの本をすごく研究したんですよ。大食いは、ダイエットの逆をやればいいから。『クロワッサン』や『Tarzan』がダイエット特集をやってたら読み倒して、情報を得て、それを反映させるんです。
それで、胃袋の大きさと食欲が比例するらしいと知って。つまり、物理的に胃袋を大きくすれば、食欲は増えるんですよ。でも、1種類のものだけ食べてると脳が飽きて欲さなくなって、胃も大きくならないじゃないですか。胃を大きくするのが目標なのに。だから、バイキングが一番いいんだけど、行く時間もないじゃないですか。
と、なると。
菅原 自家製バイキングになるわけですよ。ご飯を炊いて、いろいろとおかずを作って。固形で何キロと考えて食べる。大食いをやってる人でも、水分で増やしても、固形で増やしても同じでしょって考え方の人もいるんだけど、水分はすぐ腸に流れちゃうから。胃に大きく留めておかないとだめなので。だから固形も必要だなと思って。
あと、水だと胃袋の下半分までいかないというか。袋に重いものを入れるイメージで考えると、重いものを入れると伸びるじゃないですか。水だと袋の下が膨らまないので、まず最初に固形食べてから水ですね。
ある程度の大食いの人は、みんなそういう考え方でやってると思います。それを口にするかしないかが違うだけで。「私はトレーニングなんかしません!」とか言ってる人を見てると、きれい事だなぁと思って(笑)。
大食いを始めた時は「勘違いしていた」
最初からトレーニング方法を確立していたわけではないですよね。
菅原 ええ。というか、なんか勘違いしてたんですね。はじめて大会に出た時は、体重が54キロだったんですけど。その春の女王戦で負けてからのしばらくは、やけ食いじゃないけど食べてて。ある日、すごい太ったなと思って体重計に乗ったら、68キロだか、結構いってたんですよ。十何キロも。
そこから、ちょっと考え方が根本的に間違っていたようだと。まず、痩せようと思って。大食いの前にダイエットして、57キロか56キロまでに落として。そうやって痩せていくなかで、東京の練馬にあった「とん陣」さんってとんかつ屋さんで、ジャンボとんかつ、キャベツ、ご飯のセットのチャレンジをしたんですよ。仲良くなった三宅(智子)(※1)さんから「菅原さんなら記録更新できると思うから、やってみませんか」って言われて。
記録更新すると、3万円の賞金をもらえたんです。東京、盛岡の往復の交通費がそのくらいなので、更新すれば旅費にもなるなと(笑)。それが成功して、ちょっと自信も戻って、やっぱり太ってたらダメなんだというのがわかりました。
(※1)三宅智子。「元祖!大食い王決定戦 ギャル曽根vs新怪物たち 爆食女王限界死闘編〜ハワイ編」(2007年4月1日放送)、「元祖!大食い王決定戦 爆食なでしこ乱れ咲き〜ベトナム編」(2012年4月8日放送)で準優勝。
それは太っていると、脂肪が胃を圧迫するみたいな。