「神の祝福を!」ロシアが始めたプロパガンダ
https://bunshun.jp/articles/-/52349

 2月17日、ウクライナ情勢が危機的な状況にあることを、世界中の人々がようやく現実問題として捉え始めた。
ウクライナ国防省は同日、東部ルガンスク州で子供20人を含む38人がいた幼稚園が親ロシア派の攻撃を受け、職員3人が怪我をしたと発表したからだ。
欧米諸国はこれを強く非難。ロシアのあまりに強硬な姿勢に、SNSにはいろいろな言語で批判が投稿されていた。

 しかし同時期、ロシアメディアはすでに「ロシア側が被害を被った」との報道を始めていた。

「17日に親露派が攻撃されたと報じられ、18日には『ロシア側に避難するように』との政府声明が出されました。どこまで事実なのかはよく分からない部分もあるのですが、
ロシアとしては、『追い込まれ始めざるを得なかった戦争』というストーリーを描いているように感じました」(大手紙国際部ロシア担当記者)

 その後の2月24日、ビデオ声明でプーチン大統領は開戦をこう宣言する。

《ドンバス地域(ウクライナ東部)の人々(親ロシア派)は、ロシアに助けを求めました。そして、私は特別な軍事作戦を行うことを決定しました。
キエフ政権から8年間、虐待・虐殺(ジェノサイド)された人々を保護する目的であり、ウクライナを非軍事化および非武装化し、
ロシアを含む平和を願う人々に対して数々の血なまぐさい罪を犯した人々を裁判にかけることを目指します》

 同日、プーチン大統領の宣言に前後して、ロシア軍はウクライナ侵攻を開始。ロシア政府のプロパガンダ紙ともいわれる「RT(旧・Russia Today)」は、色めき立った。

 ロシア軍の戦車が侵攻する様子を「We have been waiting for this for 8 years!(この8年ずっと待っていた!)」「God bless you guys!(あなたに神の祝福を!)」などとテロップを付けた動画を配信。
プーチンの決断を支持する動画は、多くのロシア国民の目に触れたことだろう。
ウクライナ侵攻で露呈「安倍政権の対露外交」の大き過ぎる罪
https://news.yahoo.co.jp/articles/1494b739cfb7453eeea10d788e723bcabff1ae78