「俳優業も軌道に乗り、近年はNHK大河ドラマ『西郷どん』や『いだてん』にも脇役で出演。俳優と映画監督の二刀流で活躍しています。最近は『蜜月』だけでなく安田顕と山田裕貴のW主演映画『ハザードランプ』も監督しており、こちらは4月中旬から全国で公開予定です」(映画ライター)

 今や人気映画監督の榊氏だが、彼が「性被害」をテーマに映画を作り、公開することに疑問と憤りを隠せない女性が複数いる。

 一人目はA子さんだ。女優を目指して地方から上京した彼女は、2013年12月頃、榊氏のワークショップに参加して知り合った。ワークショップでは、1回1万円などの代金を支払って演技指導を受けるが、むしろ、監督に顔と名前を憶えてもらって、最初は端役でも、現場に呼んでもらえるようになることが重要だという。A子さんが語る。

「ワークショップが終わった後、連絡が来て『もう1回会いたい。飲みに行こう』と誘われました」

 指定されたのは、渋谷・道玄坂の居酒屋だった。

「7時くらいから飲み始めた。食事中は変わった様子はありませんでした。私は当時、横浜方面に住んでいて終電が早かったので、2、3時間経ったころに、もう帰りましょうかと二人で店を出たんです」

 店を出てすぐに事件は起きた。A子さんは榊氏に引っ張られ、暗がりに引き込まれた。

「マンションの駐車場でした。奥の方の、通行人からは死角になる場所まで連れ込まれた。なんとか逃げようと『やめてください!』と声を出したり、強く抵抗しました」

 だが、榊氏はA子さんの耳元でこう凄んだ。

「騒いだら殺すぞ」

 A子さんが当時の心境を明かす。

「あまりの恐怖で、その一言は今でも鮮明に覚えています。榊は身体も大きいし、強面です。その場でパンツだけひきずり下ろされ、無理やり犯されました。もちろん避妊などされません。時間にして5分くらいでした。ことが終わると榊は『じゃ、またね』とその場から去りました」

 一人残されたA子さんは、道玄坂をくだり、渋谷駅に向かった。

「一瞬の出来事で、通り魔にあったような気分でした。本当に自分の身に起こった出来事なのか信じられなかったです。帰り道、幼馴染に電話をして被害の内容を伝えました」https://bunshun.jp/denshiban/articles/b2594

 別の女優、B子さんのケースも酷似している。時期は2017年11月。映画関係者が集まる飲み会で榊氏とB子さんは出会った。

「その日の夜にフェイスブックで『よろしくです』とメッセージがあって、連絡を取り合うように。12月に入って二人で食事をすることになりました。場所は道玄坂の居酒屋でした」