本作は格闘ゲームでありながら、なんと体力ゲージの類がいっさい存在しない。刀剣を用いた真剣勝負ゆえに、当たりどころによっては一撃必殺となって瞬時に決着してしまうからだ。一瞬たりとも気の抜けない戦いは非常にスリリングで、好きな人にはタマラナイ要素だったのではないだろうか。“オウンビューモード”という主観視点で戦うモードも用意されていて、より迫力ある戦いに挑むこともできた。

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 頭や胸、腹などの急所に深手を負わせれば絶命となるが、急所以外の腕や足などを斬り付けた場合は部位ダメージとなり即決着とはならない。ただし相手は、足が傷つけば移動速度が落ちるし、腕が傷つけば武器を両手持ちできなくなるなど、さまざまな制約が生じる仕組みとなっている。

 足に大きな傷を負うと立っていられなくなり、膝を付いた状態での移動を余儀なくされるなんて場合もある。無様に足掻いて生き恥をさらすなんて……と思うならセレクトボタンを押すことで相手に介錯をお願いして降参するなんてことも可能だった。

 武器はキャラクターごとに決まっているわけではなく、自分で好きな得物を選べた点もユニーク。前述の刀剣のほかにも野太刀やセイヨーツルギ、金槌など、全部で8種類あった。ただ、各キャラには得手不得手が存在し、不得意な武器だと一部の技が使えなかったり、武器の振りが遅くなったりするなどキャラ性能が大きく変化する。あえて苦手な武器を選択する意味はあまりなさそうだが、対戦時のハンデとしてはありかもしれない。




 そう言えば、ストーリーモード限定になるが相手の名乗り口上中に斬り付けると、武士道に反する行為とみなされてゲームオーバーになってしまうのもおもしろい要素。これは本作の経験者なら誰しもやってしまいがちな“あるある”だろう。はしごの上り下りの最中に斬り付けるなどもってのほかだ。

 また、本作では3Dフィールド内を自由に走り回れる“フリーランニング”システムを採用。地形による有利不利もあるため、自分に有利な場所へ相手をおびき寄せて戦うなんてこともできた。真剣勝負の最中にいきなり走り出したりするのは武士道に反したりしやしないか心配になるが、どうやらセーフの模様。まあ、敵の中には銃を使ってくるとんでもないヤツもいるので些細な問題かもしれない。

 本作の発売から約1年後となる1998年3月12日には、続編の『ブシドーブレード弐』が発売。スリリングな一撃必殺バトルにはより磨きが掛かり、多数の新キャラクターやサブウェポンなどが追加されていた。残念ながら『弐』以降シリーズの動きはなくなってしまったが、『ブシドーブレード』のDNAを引き継いで進化したような『フォーオナー』みたいな作品も生まれている。今後も熱いチャンバラゲームの登場に期待したい