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ウクライナの停戦は、9月5日から始まった。この停戦が、恒久的な和平への第一歩となるのか、あるいは、「停戦」後にいつもそうされてきたように、一方、あるいは双方によって破られるのか、まだわからない。

 ウクライナ東部での戦闘は、今年4月から、約5ヶ月間に渡って続いた。国連の発表によると、戦闘での死者は3000人を超えた。そこにはもちろん多数の非戦闘員、女性や子供、老人が含まれている。ウクライナ軍による空爆は、無差別的に住宅地や学校に対しても行われたからだ。自国の政府が、自国民に対して無差別爆撃を加えてきたというこの「異常」を、まず直視することから始めなくては、この問題についての議論はスタートを切れない。
(中略)

それまでアメリカ政府はウクライナ軍による空爆を「国家防衛」として擁護し続けてきたが、8月15日、ドネツクでの大規模な爆撃で少なくとも70人の民間人が死亡したことを受けて、アメリカ国務省のマリー・ハーフ副報道官は、ウクライナ軍に軍事行動を抑制するよう呼びかけたという。ハーフ副報道官は次のように述べた。

 「市民、地元住民たちの死傷者を最小限にするために自制することが大事だと、私たちは強調しました。ウクライナの人々に、分離主義者から都市を解放しようとする際に地元住民を避けるようあらゆる手段を講じるよう呼びかけました」。

 だが、ハーフ副報道官は、同時に、ウクライナ周辺のNATO軍が増えていることも強調した。評判が一挙に悪化するような、あまりにも非人道的な無差別爆撃は控えるべきだと米国は一応、ウクライナをたしなめる。しかし、NATOによるロシア包囲は解がない。臨戦体制は継続する、という。

続く

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