■日本企業をダメにする「PDCA」という思考回路

 【井上】EVはやってみないと分からないことばかりです。ただ、日本企業には「よく分からないことはやらない」という文化がありますよね。

 日本企業はPDCAが大好きですが、「PLAN」を立てることだけずっとやっていて、永遠に「DO」をしない。その間に「PLAN」が陳腐化しちゃうんですよ。

 【井上】私はコロナの前によくシリコンバレーや中国の深センに取材に行っていたんですが、両方で「日本人はPDCAばかりやるからだからダメなんだ」と言われたものです。
「俺たちはDから始める。DCAPだ」と。PDCAは、決められた仕事を「カイゼン」する際には効果的なのですが、EVのように新しい分野の開拓には向いていません。

 日本メーカーがEVシフトに対応できないのは、そうした組織風土の問題が大きいんじゃないかとも思います。成功体験に安住しがちだし、新しいことをやって失敗するとマイナス評価になりますから。

 江戸時代には長崎に「出島」がありました。鎖国によって禁止されていた貿易は、「出島」ではOKだったのです。日本企業は、今こそ「出島」を作って、そこでなら新しいことは何でもOKにすればいいと思います。

 具体的には、EVは別会社でやったほうがいいでしょう。こういうことをやっていかないと、本当に「日本車敗北」となってしまうと思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/966a20204bfc64276a74ea7b16e1526f89f5bd23

非正規モメンにも分かるPDCA
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