ドイツの戦場にいたソ連軍兵がソ満国境から南下してきました。兵は6尺(約180センチ)以上の体格で、戦勝国とばかりに家へ土足で入ってきました。手当たりしだい物を取り、最後は「マダム(女)、ダワイ(渡せ)」と女を要求して、強姦(ごうかん)しました。妊婦が、ソ連兵が来たので押し入れの天井へ隠れようとしたら、おなかがつかえて上がれなかったのを引きずり下ろされ、強姦されたとも聞きました。私は便器の中へ逃げ隠れたこともありました。ソ連兵の仕打ちに自殺する人や命を失う人もいたそうです。私は頭を坊主にし、ツバの無い帽子をかぶり、男物の作業服を着、乳はさらしを巻き、下はお芋を挟んで男になりすましておりました。床下の地面に板を敷いて半年暮らしました。護身用に短刀を持っていましたが、見つかって投獄された人がいましたので、ペチカで焼いて1メートル以上も掘った穴に埋めました。住居も引き揚げるまで3度も移転させられました。

https://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/kioku/detail.cgi?das_id=D0001800187_00000