昨今、日本では保健所での犬猫殺処分への否定的な意見と、保護犬・猫への関心が高まっており、殺処分数は減少傾向、保護犬・猫の譲渡数は増加傾向を見せています。しかし、2020年4月1日〜2021年3月31日に殺処分された犬・猫の全国総数は2万3764匹と、今でも多くの犬と猫が保健所に持ち込まれ、殺処分されています。

※参照:環境省Webサイト「動物の愛護と適切な管理」

 保護犬・猫の譲渡についても、まず健康で幼齢の子犬や子猫に人気が集中。年齢を重ねるにつれ里親に引き取られる率は下がっていきます。では、病気や老齢の犬・猫たちが飼育放棄され保健所に持ち込まれたら――。その先には、「もらい手が見つからず殺処分」という厳しい現実が待ちかまえているのです。そんな、行き場をなくした犬・猫たちの命を守りたいという思いで活動する団体が長野県にあります。

 藤森由加里さんが代表を務める「フィリックス・アニマ」は、高齢やハンディキャップ・病気を抱える犬猫を中心に保護し、終生飼養する団体。原則譲渡は行わず、その命が旅立つときまで世話をしてみとっています。

 譲渡を行わないということは、犬・猫たちにかかる費用を最後まで全て負担するということ。多くの保護団体が、犬や猫を譲渡した際に受け取る譲渡金を運営費の一部に充てるのに対し、フィリックス・アニマはかかる費用全てを寄付金や助成金、物品援助、ボランティアたちの自己負担でカバーしているのです。
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 今回編集部は代表の藤森さんに取材。活動のきっかけや、犬・猫たちの暮らし、団体の運営状況について聞きました。
「殺処分をゼロにし..https://news.yahoo.co.jp/articles/6a86a01b7cc4aa1b24c224b9cd03ee059d78f99b