先日、中国の軍艦がジブチ共和国のドラレ港にある中国の軍事基地に初めて現れた。同基地は2016年3月に建設が始まり2017年に完成していたが、これまで中国の軍艦が入港したことはなかった。

 AFP(フランス通信社)の取材で米国の軍事専門家・サットン氏は、今回入港した軍艦が中国海軍の補給艦「駱馬(らま)湖号」だと指摘している。同艦は903A型総合補給艦とも呼ばれ、排水量は2.3万トン。中国の東アフリカ地域における軍事行動に使用されている。

 サットン氏によると、中国海軍が同地域で「海賊の取り締り」を行うとともに、欧米の戦艦による活動を監視している。同地域で展開している艦隊は駆逐艦と護衛艦で構成されており、将来的にはより大型の戦艦が加わる可能性があるという。

 サットン氏は、ドラレ港が大規模なものであり、紅海からアラビア海・ペルシャ湾に出るための要所でもあることから、将来的に中国の空母が入港する可能性があると分析している。

 また、ジブチ共和国には米国がアフリカに有する最大規模の海軍基地「キャンプ・レモニエ」があり、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)加盟国など多くの国が使用している。そのため、今回の中国軍艦入港は軍事的にも大きな意味を持っている。

 米アフリカ軍に所属するスティーブン・タウンゼント司令官は、「中国がジブチに基地を持っていることは非常に重大で、注視している」と述べた上で、中国がアフリカ大陸各地で行動を活発化していると警告している。

 中国は赤道ギニアまたはソロモン諸島に2つめの海軍基地建設を計画しているとも言われている。

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