大城さんは1975年、兵庫県尼崎市に生まれた。
「当時の尼崎はかなりガラが悪い地域でした。でも僕が生まれた町は『尼崎の中ではまだまし』と言われる場所でした。それでも十分怖かったですけど(笑)」
父親はブラジャーの金型工場で働く職人だった。
「僕の芸風からか、すごい貧乏な家出身だと思われることが多いんですけど、実は中流家庭でした」
両親は熱心なクリスチャンで、毎週日曜日に教会に通っていた。大城さんも大城アントニウス文章という洗礼名を持っていた。

「ミサで侍者とかやっていましたね。ワインを持ったり、鈴を鳴らしたりしていました。教会では子どもたちに見せるための劇を、大人たちが演じていました。それには両親も出演していました」
母親は、マリアが馬小屋でイエスを産むシーンに登場した。
「母親はヤギの役でした。前に出たがる性格で、セリフをしゃべるマリア様の横で大声で『メー!!』って鳴いて注意されてました。
父親はガリガリにやせていてヒゲも生やしていたので、十字架にかけられたキリスト役を演じることになりました」
舞台のクライマックス、キリストはやりで突き刺されて絶命し天国に行く。皆興奮して、
「イエスさま!!」「イエスさま!!」
と口々に声援が飛んだ。
「母親が興奮しすぎて『お父さーん!!』って叫んじゃって台なしになってました。めちゃくちゃ受けてましたけどね(笑)」

小学1年生の内科検診の時、医者が聴診器を大城さんの胸に何度も当てた後、首を傾げ「中止や!」と叫んだ。ほかの医者を集めて皆で大城さんの体を診断した結果、
「心臓が右にある」とわかった。
「内蔵全部が逆向きでした。その時は『ああ、死ぬんだな』と思いましたね。でも結果的に生きていくうえで問題はなかったです」
ただ心停止の際に使用するAED(自動体外式除細動器)を当てる位置は逆になってしまう
「千原せいじさんには身体にタトゥーで『心臓の位置が逆なのでココとココにつけてください』って書いておけって言われたんですけど。タトゥーしたら温泉入れなくなるから嫌なんですよね(笑)」
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